変化を起こす際、当事者が変化に反対したり、抵抗したりすることは珍しくない。チェンジマトリクスはそのような反対や抵抗にあった場合に、変化することについて当事者と合意形成を図ることを支援するツールである。
チェンジマトリクスの特徴は「変化すること」のメリット・デメリットとともに、「変化しないこと」のメリット・デメリットを4つの象限で整理する点にある。
人は「変化することのメリットやデメリット」には目を向けやすいが、「変化しないことへのメリット・デメリット」には必ずしも目を向けたがらない。そこでチェンジマトリクスで整理し、変化の意義についてより全体的、俯瞰的に把握することができるようにする。
人は変化することに対して直感的に反対・抵抗していることが多い。そこで、チェンジマトリクスの4象限を整理することで当事者が直感的に考えていたよりも「変化することによるメリット」が大きかったり、「変化しないことのデメリット」が大きかったりすることに気づくと、変化に対してより合意しやすい状況を作りだせる。
あわせて「変化することによるデメリット」に対する解消策を検討することによって、合意形成を促す状況も作りだせる。
なお、変化することによるメリットは山の上にある「金の壺」に、変化することによるデメリットは危険な山登りによる怪我を意味する「松葉杖」に、変化しないことによるメリットは水辺にいて山に登れない「人魚」に、変化しないことによるデメリットは水辺にいる危険な「ワニ」に例えられる。