何を変えるか?が決まったら、次は何に変えるか?です。最高の未来の状態に到達するために、最も効果的な戦略、プロセス、ツール、方法などを、どのように選択すればよいのでしょう。その選択が最善であることをどのようにして知ることができるのでしょうか。幸いなことに、制約理論と思考プロセスはここでも役に立ちます。現状ツリー上の中核的な対立と結びついた望ましくない結果を考えてみましょう。典型的なUDEをいくつか挙げます。
- サプライヤーが遅れる
- 部品が欠品している
- 機械が故障する
- 従業員がよく欠勤する、または、適切に訓練されていない
- 設計が遅れる、または、修正する必要がある
さて、これらのUDEに共通することは何でしょうか?
驚くべきことにこれらはみな、何らかの遅れ(遅延)を表わしています。私たちが望むほど仕事は迅速かつ経済的に完了することができない、ということの現れです。その結果、リードタイムが延び、納期が危うくなります。納期を守るためには、多くの残業代を支払わなければならないかもしれないし、プロジェクトであれば、スコープを削ったり延期したりしなければならないかもしれません。つまり、私たちの中核的な対立が生み出すUDEは、通常、フローを阻害するのです。
さて、こうした現象は重要でしょうか? ここでトヨタ生産方式の父、大野耐一氏がトヨタの取り組みを簡潔に説明した言葉を考えてみましょう。
私たちがやっているのは、顧客から注文を受けてから現金を回収するまでの時間軸を見ることです。そして、その時間軸を短縮しているのです。
(出典:Ohno, Taiichi, Toyota Production System, Productivity Press. 1988, page ix)
ゴールドラット博士にとっても、大野氏にとっても、フロー(したがってリードタイム)はビジネスを行う上で第一に考慮すべきことでした。
フローは、コストやその他の考慮すべき事項よりも重要でした。なぜなら、コストはフローに直接影響を受けるためです。ゴールドラット博士は、その論文『巨人の肩の上に立って』(Standing On The Shoulders of Giants)の中で、「フローの4つの概念」と呼ぶものを、ヘンリー・フォードまで遡って紹介しています。
- フロー(またはそれに相当するリードタイム)の改善は、オペレーションにおける第一の目的である。
- この第一の目的は、生産しない(過剰生産を防ぐ)タイミングをオペレーションに組み込む実際的なメカニズムに変換されなければならない。
- 局所的な効率は廃止されなければならない。
- フローを均衡させるための集中プロセスが実施されなければならない。
したがって、何に変えるのか?を考えるとき、フローを改善することが最大の目的であるべきといえるでしょう。

「フローの4つの概念」に準拠したソリューションこそが、優れた未来を確実にする最善の方法です。ゴールドラット博士のこのテーマに対する信念を考えれば、過去・現在・未来の制約条件の理論のすべての応用が、「フローの4つの概念」の要件を満たしており、また満たすことになるのは自然といえます。
何に変えるのか?という問いに対する答えを明確にするために、TOCにおいて実用的なツールは、TOCフローアプリケーション(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント、ドラムバッファロープ生産管理、Make To Availability、Pull Distributionなど)とTOCビジネスアプリケーション(Solution for Sales、Pay-Per-Clickなど)です。これらは何に変えるのか?という問いに確たる回答を与える構成要素です。これらの構成要素を深く理解することで、私たちは各企業独自の現実に特化したオーダーメイドのソリューションを生み出すことができるのです。基本的なアプリケーションから開発された具体的なソリューションの好例として、ハイタッチタイムDBRとフローラインソリューションがあります。
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