プログレッシブ・フロー・ジャパンCEOの工藤さんとの思い出
プログレッシブ・フロー・ジャパンCEOの工藤さんとの出会いは2012年、当時私が「ものづくり推進部」に所属していた頃です。千葉工場の当時の工場長が『ザ・ゴール』を管理職に読ませて感想文を書かせたという情報が入りました。ものづくり推進部という社内コンサル的な立場とすると『ザ・ゴール』やTOCを知らない状況では話にならないと思い、工藤さんを紹介してもらい藁をも掴む思いで会いに行ったことを今でも覚えています。1時間余りの面談でしたが、「工期を短縮すると何か良いことがありますか?」という唐突な質問に面くらいました。1時間でTOCを学ぼうという下心を意図も簡単に砕かれる結末になりましたが、この質問はやがて物事の見方を大きく変えるビックな質問となり、今も尚新鮮な質問として生きています。
その後、設計部のフロー改善プロジェクトのコンサルティングをしていただきました。当社ではそれまでも様々な改善活動(そのほとんどはコスト削減)が行われてきましたが、多くの場合、わずかな工数削減や材料費低減で終わっていました。その中、3カ月という短期間で設計リードタイムが平均33%(最大50%)短縮という成果が得られた時は、理屈では理解できていたもののやはり大きな驚きでした。TOCは『ザ・ゴール』と同じように数カ月という短期間で設計リードタイムが平均33%(最大50%)短縮。数カ月で大きな成果が出せる方法論であることを体感することができました。
TOCの方法論や根拠は明確でしたが、工藤さんのコンサルティングの仕方は決して押し付けるようなものではなく、納得がいかない場合や懸念事項がある場合は、しっかりと受け止め合意形成を図りながら進めていただきました。また、指導の中で、常識ではおかしいなと思う言葉こそが、パラダイムシフトをキチンと考えるきっかけになったと感じます。今でも驚きのある質問は「設計や製造が遅れる理由は何か?」で、その答えは「我々が手をつけ始めるのが早過ぎる」です。自分達の常識に間違いがあるなんて、通常の仕事ではなかなか気付けません。分かれば当たり前のことですが、工藤さんはそれを自分で考えさせる力と実行を引き出してくれます。
その後もTOCのコンサルタントとして、長年に渡り様々な業界で研鑽を積まれ実績を作られているようです。成果を上げた他企業の方ともお会いしたことがありますが、苦境を改善の機会に変換した姿は、業界や企業を越えて素晴らしいなといつも思います。
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